塗装に絡む作業の一つとして、コーキングの打ち替えがあります。
業種別に考えると非常にわかりにくいのですが、塗装業者・コーキング業者・防水業者というのは
それぞれ別の業種になります。
作業内容が軽微なものである場合、我々塗装業者がコーキングを打つ場合もありますが、
大がかりなものはやはり本職さんが慣れておられますね。
余談ですが、防水業とコーキング業を兼務されている業者さんもいらっしゃいますが、
コーキング専門屋さんの方が、コーキングを打つのは長けておられますね。
一方防水工事については、コーキング屋さんの範疇を超えているような気がします。
コーキングという技術はおそらく日本にはもともとなかったと考えています。
というのは日本の建築は木造が主流であったため、木組みの技術ですき間をなくす技術だったため
コーキングというものを建物で使用することは、なかったと思います。
しかし高度経済成長以後、国の「持ち家政策」に後押しされて民間の住宅需要が高まりました。
それ以前は家は代々継承されるものであり、長期のメンテナンスを主流としていたものが
安く・早く建設されることが一般化したため、工期短縮と建設コスト圧縮のため、
釘や木組みからビス止め、コーキング・サイディング・壁紙(クロス)の家へと変化したと考えています。
確かに安価で施工しやすいサイディングやコーキングは、今の建築には必要だと思いますが
問題があるとすれば「定期的なメンテナンス」を要するところです。
劣化したコーキングは、本来の柔軟性をなくしているため硬化してひび割れています。
古いコーキングを撤去すると中は、このような形になっております。
ここからサイディングの切り口に雨水が浸透し、サイディングの劣化に繋がるのです。
打ち替えるとこのような形です。
なお窓廻りについては、打ちシロが少ない場合、既存コーキングの上から
増し打ち(充填してうつ)を行う場合があります。
塗装工事に関係する工事として、見逃せないコーキング
10年程度で劣化するのは避けられないことなので、ぜひ定期的な点検をオススメいたします。
幅数ミリ程度の細いものではありますが、コーキングが劣化して切れてしまうと
直接雨漏りの原因になりますので、ぜひご確認くださいませ。