単なる雨よけのために長い軒の必要性が理解出来ませんでした。
住宅塗装するようになって、お客様からお話しを伺うようになって、軒の重要性が十分理解出来るようになりました。
「前回塗装をされたのはいつですか?」
とどのお宅でも伺います。
「新築以来一度も塗り替えをしていない」
「家を建てのは30年前だけど、一度も塗り替えしていない」
など共通してお答えくださるのは、例外なくいずれも在来工法の軒の出の長いお宅でした。
この時初めて「軒」「庇」の役割について理解出来ました。
空間的には無駄な箇所ですが、この軒・庇が建物を自然環境から守っていたのですね。
我々は疑いもなく常識的に「10年に一度は塗り替え」と口走ってしまいます。
しかしそれは塗料の問題であって、構造の問題とは関係ないことです。
構造が風土に合っていれば、塗料の素材いかんに関わらず塗り替えの必要がないと言えるかもしれません。
近年デザイン重視の家が多数新築されていますが、昔からあるつくりには理由があると思います。
一見無駄に見える「軒」には、間違いない理由があるように思います。