住宅関連の価格について、お客様にとって判断が付きにくい要素だと思います。
まったく正直言えば我々専門業においても簡単な作業ではないと思います。
塗装について言うと、見積もりの基準にしているのは
メーカーが公表している「設計価格表」になります。
この表にある1㎡あたりの設計価格に施工する箇所の数量をかけて価格を導き出します。
例えば水性シリコンなら1㎡=2,800円となっていれば、
これに対して塗装する範囲の広さ100㎡であれば2,800円×100㎡=280,000円(税別)となるわけです。
ただしこれは設計する時点の価格なので、一般的に施工価格は80%程度だと言われています。
塗り替えの場合これ以外に高圧洗浄費用が別に計算されます。
この流れが通常ですが、これには現在の塗装する対象の「現状」「周囲の形状」などが入らないので
あくまでも基準価格となります。
また数量が少なくなる場合、この計算方法では我々業者が大きな赤字になるケースも多々あります。
例えば住宅の「2階部分だけ」の塗装を3㎡だけ行う場合
水性シリコンで2,800円×3㎡=8,400円と計算上はなるわけですが、これでは塗料を買ったら赤字になるわけです。
これがシーラー・上塗り2回で乾きの時間まで計算すると、人件費も大赤字になるのですね。
なので数量が少ない場合は、1式30,000円とか1式50,000円となるわけです。
これ以外にも数量が少ないと養生する範囲が多くなるケースもあるので、
「設計価格」での積算はあくまでも基準価格の一つとご理解頂ければと思います。
施工価格は非常にわかりにくいものです。
複数の会社から相見積りをとる場合は、単純に「高い・安い」だけではなくて
それぞれの積算根拠について詳細に見比べて頂くことが重要だと思います。